オートクチュールの魅力
より高みを求めて
昭和の時代は、洋服をオーダーするのは一般的で、洋装店もたくさんありました それが今や絶滅危惧種
その大きな理由に、デザインの問題があったと思います
「オーダー服=おばちゃん服」
娘さんはお母さんの服見て、「自分はヤダ」みたいな、時代を超えられない服・・・
ファッションには、流行があれば、不変の美しさもあります ハイブランドのコレクションには多くの見るべきものがあります
デザイナーは常にアンテナを立てておかなければいけません
オートクチュールを一言で表せば、「選ばれた生地でお客様を最も美しく引き立たせるデザインを造りだすこと」
それは多くの情報・経験値がなければ出来ません だから常に勉強なんです
サボるようなら、そもそも良い洋服屋にはなれない
仕上がりにガッツポーズが出るくらいでないと
どれだけ経験積もうが生徒の目線でいる
世界に自分より凄いと思う人がいる限り
仕上がりにガッツポーズが出るくらいでないと
どれだけ経験積もうが生徒の目線でいる
世界に自分より凄いと思う人がいる限り
身体に合う、美しさ
既製服は「洋服に身体を合わせる」
オーダー服は「洋服を身体に合わせる」
当たり前に聞こえますが、これが大きな違いです
既製服の場合身幅は、4センチピッチで、身長160センチが基準です
だから170センチの人にはウエスト位置が高く、150センチの人には低くなる
補正で合わせても大きくいじればデザインバランスが壊れます
また、イージーオーダーの場合、「数10箇所測って作る」とか聞きますが、そもそも数字だけでは身体のラインを読み取ることはできません
特に女性は同じバスト90センチでも、Aカップの人もいればDカップの人もいますし、それでダーツもラインも全く変わります
つまりパタンナーが採寸しない限り、きちんと身体に合う服は作れないのです
それが出来るのは、オートクチュールの大きな美点のひとつです
クルマが悪けりゃ勝てない
デザイナー モデリスト 縫子さん
スペシャリスト全員が実力を出して
初めていい作品ができる
クルマが悪けりゃ勝てない
デザイナー モデリスト 縫子さん
スペシャリスト全員が実力を出して
初めていい作品ができる
若い皆さんに伝えたい
オートクチュールで扱う生地は縫製が難しいものが多いので、縫い手の技術が仕上がりを大きく左右します
今まで、多くの縫子さんを見て来ましたが、仕上がりに対する意識はまちまちで、実はダメ出しをすることは少なくありません
縫子さんにも、出来上がりに対しての“高い美意識”が必要です
「服を作ること」が仕事じゃないのです
「美しい服をお客様にお納めする」のが仕事なのです
高いクオリティを提供するのはもちろんですが、
これからのオートクチュールを考えると、加えて、お値段もとても大切だと思っています
カロンでは素材こそハイブランドと同等のものを使っていますが、お安く提供するための努力は欠かしません
ワンピースは10万円からお作りしています
それは若い人にオーダーの良さをお伝えしたいという強い思いがあるからです
オートクチュールの将来のためには、若いお客様が絶対に必要なのです
千円のランチ我慢して千円の珈琲を飲む
なんで千円もするのか考えれば
そこには沢山の学びがある
千円のランチ我慢して千円の珈琲を飲む
なんで千円もするのか考えれば
そこには沢山の学びがある
100年、来来への継承
お客様の「ハレの日」のために、一緒に生地を選び、デザインを決め、仮縫いを経て、お客様の笑顔を見ながらお納めする
そして「このお洋服を着たら、こんな素敵なことがあった」と、お客様のお話を聞く
そのひとときは「こんな素敵な仕事がこの世にあるのか」と思えるほど幸せな瞬間です
洋服作りの原点である“オートクチュールの灯”を、絶対に消してはいけないと思っています
僕はカロンより10歳若いので、80周年は70歳
それまではしっかり働くつもりです
そして後継者を育て、支えて行かなければなりません
そのためには若い力が不可欠です
洋服を作ることが大好きな人にオートクチュールの魅力を知ってもらい、ぜひ、技術を受け継いでもらいたい
100周年の時は90歳
その時、後継者に引退セレモニーをやってもえたら、最高に幸せでしょうね
機能だけならファストファッションで充分
でも人の生み出す美に触れることが
どれほど人生を豊かにすることか
機能だけならファストファッションで充分
でも人の生み出す美に触れることが
どれほど人生を豊かにすることか